何かを「わかる」「できる」ようになって自信をもつこと、つまり「ものにする」ということを助ける要素としてこの3つの要素を最近考えています。

これらの要素は記憶の種類と対応づけることもできるかもしれません。

名づけを「名」という語感を越えて発展させ、豊かな文章によって何かを表現するということも考えられます。ここでも自分なり「感じ」にもとづいて自分の言葉で言語化することが有効だと思います。ものにしたいものが目標であれば、目標を達成したときの自分のよい気持ちや、そのときの状況をありありと想像できるような表現にします。僕はこれを「文芸化」とよんでいます。

文芸化は名づけの延長ともとれますが、その効果は色づけに強くつながります。つかみどころがない感情や価値といったものを、いつでも思い出せるようにしてくれる効果があります。

いわゆる三日坊主は肉づけの失敗と捉えることができます。習慣をつくるには続けることが大切ですが、習慣になっていないことを続けるのは難しいというジレンマがあります。ではなぜ初日や二日目ならできるのかというと、そのときはその習慣をつくることの自分にとっての価値をまだ覚えているからだと思います。三日目には「手続き記憶を強化するためにはやらなければいけない」という論理は認識できても、「なんかいいや」という気持ちになります。つまり色づけ不足です。

だから肉づけを成功させるには色づけが大切です。そしてとらえどころのない色づけを確実におこなうには、名づけと文芸化が効果的だと思います。

何かをものにすることは、名づけと色づけと肉づけの3つを連動させることによってうまくいきやすくなると思います。この関係性を図にしてみます。ここでの「対象」には、学びたいこと、経験したこと、学んだことを実践する場などをあてはめてください。

stateDiagram-v2
direction LR
対象 --> 名づけ : 解釈する
対象 --> 色づけ : 感じとる
名づけ --> 色づけ : 思い出させる
色づけ --> 肉づけ : 続けさせる
色づけ --> 名づけ : 文芸化
肉づけ --> 対象 : 実践する

参考

青砥瑞人『HAPPY STRESS (ハッピーストレス) ストレスがあなたの脳を進化させる』

櫻井武『「こころ」はいかにして生まれるのか 最新脳科学で解き明かす「情動」』